先月のことですが、テレビ朝日他2社の情報番組より取材を受けました。
話題はもちろん、豊洲市場にまつわることでした。
取材クルーの前で初めて話したのですが、話しているうちに先方の意図を感じました。
それは、「豊洲の不動産価格が下がっていて困る」という不動産屋のコメントが撮りたかったようです。
実情としては、マーケットは豊洲市場移転の延期前と延期後で成約価格・坪単価はさほど変わっておりません。
購入希望者は以前より肌感覚的に若干少なくなったと感じますが、それは今回の豊洲問題が起こる前からですので、今回の影響は少ないと判断しております。
もちろん、豊洲のタワーマンションをご希望されるお客様は、必ずこの話題を口にされますが、だからといってお客様が買わなくなったということはございません。
上記のことを丁寧に説明していたところ、先方の予想と反したのか、話しをしている中でややがっかり感が伝わってきました。
最終的にはディレクターの方がインタビュアー役の後ろから「つまりは、こういうことなんですよね」と明らかに「豊洲移転延期でウチは困っている」と誘導尋問を仕掛けてきました。
視聴率を取りたい先方の望んでいるコメントはわかるのですが、私たちは地域のお客様より物件の媒介を預かっている立場ですから、事実を曲げるようなお客様の利益にならないコメントをすることはできません。
テレビの情報番組の「取材」といっても順序が逆で、取材結果から話を組み立てるのではなく、最初から結論ありきで決めつけ、その結論を語ってくれる人を撮りに行くという図式を初めて生で体感することとなりました。
結局、1時間に及んだ撮影がテレビで使われることはありませんでしたが、世間に一番影響力のあるメディアであるテレビ番組が意図的に問題を煽る方向で報道したことが豊洲市場延期の最大の問題であると感じております。
一部のテレビ局は、豊洲は既に地域住民が万単位でいるということを忘れているようです。