こんにちは!
辛口マンション評論家のマンションウナギです。
今回はSUUMO特集記事「首都圏213駅 価格MAP」についてのコラムです。
「首都圏213駅 価格MAP」は新築マンションと中古マンションの70㎡当たりの平均価格が記載された路線図で、
首都圏は西エリア・東エリア・南エリアの3つに分かれています。
SUUMOの記事内では「新築価格と中古価格の価格差を比較しましょう」と書いてありますが、
これには「異議あり!」です。
私がそう思う理由を解説していきます。
早速ですが、「首都圏213駅 価格MAP」(以下、本データ)をご覧ください。
データを見ると新築が中古より価格が高い駅もあれば、中古価格が新築を上回っている駅もあります。
しかしながら、このようなデータは数字だけを鵜呑みにせず、前提条件の確認が重要となります。
本データは2019年11月~2021年10月の2年間に販売もしくは流通した新築マンションと中古マンション(築10年以内)の70㎡当たりの平均価格を掲載したデータとなります。
(※専有面積30㎡未満の一般的には投資用として扱われる物件やバス便の物件、50件以下の取引数が少ない駅は除かれています。)
「2019年11月~2021年10月の2年間に販売された新築マンション」というのがポイントで、ある特定の駅において1物件しか販売がなかった場合はその物件の価格がそのまま新築価格として本データ上に反映されることとなります。
新築マンションの価格は物件の個別性が強く、特に駅近のタワーマンションなどは周辺相場より1~2割程度高い価格設定になっていますので、本データの新築価格についてはあくまで参考程度にお考えいただくのが良いと思います。
一方で中古マンションの価格は、基本的に過去の取引事例などの周辺相場を基に決定されます。また、中古マンションの性質上、特定の物件だけではなく複数の物件がデータの根拠となり、データの信頼性も高くなります。
例えば「首都圏西エリア」の「北参道」「表参道」「代官山」のデータをご覧ください。
新築価格では①北参道1億7821万円、②代官山1億6769万円、③表参道1億3334万円の順ですが、
中古価格では①表参道1億7102万円、②代官山1億6059万円、③北参道1億3738万円の順となり逆転現象が起きています。
不動産歴15年以上の私の相場観では、①表参道、②代官山、③北参道という中古価格の順番通りのイメージです。
この順番に関しては不動産に詳しい方の多くが賛同いただけるのではないでしょうか。
北参道の新築価格については「パークコート神宮北参道ザ・タワー」の価格が大いに反映されていると思います。
「パークコート神宮北参道ザ・タワー」は魅力の多いマンションですが、魅力があるが故に北参道エリアの相場からは乖離した価格です。
(もちろん「パークコート神宮北参道ザ・タワー」が北参道エリアの新たなベンチマークとなり、北参道エリアの相場を今後引き上げる可能性もあります。)
別の事例として「高田馬場」のデータをご覧ください。
高田馬場は新築価格7,538万円、中古価格9,340万円と新築価格が中古価格よりも2割も安いデータとなっています。
これはおそらく定期借地権の「ブリリアシティ西早稲田」が新築価格として反映されています。(前提条件でも定期借地権物件を除外する旨の記載はありません。)
これでは比較対象としてフェアなデータとは言えないのではないでしょうか?
上記事例からも分かる通り、本データは新築と中古の価格差を比較するのではなく、
基本的には中古物件の価格のみを見るべきです!
中古物件の価格でエリアの相場観がある程度分かります。
その上で、ご予算内で検討できそうなエリアを探したり、検討している新築マンションや中古マンションが周辺相場と比べて価格的にどうか検討したりすることができます。
検討物件が中古価格データ(周辺相場)より高かったとしても、その分特別な魅力があれば買いの場合もあるでしょうし、中古価格データ(周辺相場)より大幅に安かったとしてもその分デメリットがあると思いますので、その点を考慮に入れる必要があります。
もちろん中古価格のデータに関しても2019年11月~2021年10月の2年間のデータですので、直近の相場上昇も加味して考える必要があります。
検討物件の価格が適正かどうか気になる方は個別相談でアドバイスできますので、ぜひご利用ください。
今回は、何となく数字だけに目が行きがちな不動産のデータや資料に関して、前提条件を確認することの大切さを「首都圏213駅 価格MAP」というSUUMO特集記事を用いて説明をさせていただきました。
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