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【マンション購入の失敗例あれこれ】
「後悔先に立たず」という諺を知らない人はいないだろうと思います。しかし、人間に失敗はつきものです。一度ならず二度も同じ失敗をしてしまう人もあります。
マンション購入は一生の間に三度あるかなしかのことですが、買ってから失敗に気付いても返品も売却も容易なことではないので、後悔しないように慎重に判断しなければなりません。
しかし、売り手は早く買わせようと画策します。言葉では、「どうぞゆっくり」などという場面もあるかもしれませんが、本心ではありません。そんなトラップに引っ掛からないよう注意深く検討を重ねなければなりません。
営業マンとのやり取りの問題はさておき、買い手自身の判断ミスやチェック漏れによるものとしての失敗例を取り上げてみました。転ばぬ先の杖として、利用していただければと思います。
目次
1)住戸選定に関して
◆どうせ買うなら広い方をと選択した80㎡の我が家だが、50㎡台の賃貸マンションから引っ越して来た当初の「広々感」が、5年も経たない今、家財で一杯。荷物は増えるものらしい。こうなるなら70㎡でも同じことだったかも。今は無理して予算を増やしたことで、毎月のローン返済の負担の重さを後悔中。
◆両親を呼ぶときに客間用の和室は有効と思ったが、両親は3年に1回しか来ない。今は物置になってしまった。新築時チョイスの権利があったのだから、洋室に改造して書斎にしておけばよかったと後悔。
◆収納スペースが足りないため家具を購入。そこ代わりに部屋が狭くなってがっかり。
◆収納箇所が多いところを気に入って買ったが、それぞれが小さいため、分散して収納することになり、何をどこに入れたか分からなくなったものが多い。
◆体重100キロを越える主人の悩みはトイレ。かがむときにドアに頭をぶつけるのです。広いトイレを望んだが、億ションクラスにしか存在しないことが分かり、契約後に改造することに。工事中の契約なので改造費はただかと思っていたら15万円も請求されてショック。
◆洋室がウォークインクローゼット付きの7畳大であることに感激して購入したが、細長いためにダブルベッドの置き方が限られた。実際に置いてみると、壁に押し付ける必要があり、壁側に寝る妻は、足元から這ってベッドによじ登ることに不満たらたら。ベッドは両脇が空くように置けないと不便と気付いたが遅かった
◆最上階を購入したが、バルコニーに出るのに50センチの段差があるため、とても煩わしい。購入するとき図面の表示に気付かなかった。
2)遮音性の問題に関して
◆音の心配がなくていいと最上階を購入したが、横から音が漏れて来るのが意外だった。
◆子供が飛び跳ねるので、下が玄関ホールの2階を購入したが、自動ドアのエンジン音が漏れて来て寝られない。
◆「床の厚みが30センチもあるのはウチだけです」という説明に、勝手に「それなら遮音性能も高いだろう」と思い込んで購入。しかし、実際はそうでもなくショックが大きい。30cmの厚さは別の理由で必要な寸法であって、遮音のために無理に厚くしたわけでないことが分かったものの後の祭り。
3)採光と通風に関して
◆玄関側の洋室は想像以上に暗かった。常に電灯が必要になる。
◆共稼ぎだから日中は誰もいないし、東向きでも構わないと思ったが、たまの休日にも遅い目覚めが許されないのが計算違いだった。早く洗濯物を干さないと日がすぐ陰るのだから。おまけに夏は朝から暑い。営業マンは心地よいお目覚めが楽しめますなどと言っていたのに。
◆家を買うなら絶対南向きと決めていたが、北側の部屋は永遠に日が入らないことが分かった。西南向きがいいらしいと教わったときは手遅れだった。
◆学校が夏休みになると、中学生の娘は1日中エアコンを回して部屋にいます。14階を風通しがよいと信じて購入したのですが、バルコニー側だけ開けても反対側の窓を開けなければ風は通りません。娘に窓を開けろと言うのですが、廊下を通る人の気配がいやだと拒むのです。電気代が嵩んで困っています。
◆100万円の差があったので、3階を止めて2階を購入。日差しは問題ないが、目の前に一軒家が建っていて屋根がうっとうしい。3階だったら前が見通せるのに。100万円増えても毎月のローン返済額にしたらいくらでもなかったのに。
4)光熱費の問題
◆エコマンションと聞いていたのに、毎月のランニングコストが予想以上に高い。広い家、暗い個室、便利だからつい使ってしまう浴室の暖房乾燥機と食器洗い乾燥機。前の家ではなかった機能がたくさんあるせいらしい。
5)セキュリティの不安
◆2階住戸を購入。敷地境界ギリギリにベランダが来る位置に建っている。境界線に沿って植えられた樹木が成長し、木に登って泥棒が来ないかと心配している。
◆未完成マンションを契約したが、内覧会でびっくり。裏のビルの通路からマンション側まで僅か2メートルしかすき間のない箇所がある。板を渡せば簡単に乗り移れそう。これでは1階玄関の出入りを厳重にしても意味がない。「商業地域だから仕方ない」って、そんな説明にあきれて絶句した。
6)構造の問題
◆乾式壁工法の意味を知らずに超高層マンションを購入。大地震が来てから家具の固定を検討したが、それができないと分かってがっかり。乾式壁とは、要するにお隣との壁がコンクリートでなく、石膏ボードだったということ。乾式壁構造でも、場所によっては家具を固定できる下地が入っていると聞いたが、場所は限られていた。
7)エレベーターの不便
◆エレベーターの数が少ないため、ラッシュアワーには5分も待たされる。忙しい朝に忘れ物をすると、取りに行くことができない。タワーマンションは台数が問題かも。
◆ワンフロアに30数戸もある横長のマンション。エレベーターコアが1か所なので、降りてから我が家まで100メートル近く歩かなければならない。外廊下なので、風雨の強い台風シーズンはその間だけで雨に濡れてしまう。
8)立地条件や環境変化の問題
◆前面道路は広くないのに、クルマの交通量が意外に多いのにびっくり。幹線道路の渋滞を避けるクルマの抜け道だった。モデルルーム見学の日は日曜日だったので、たまたま少なかったらしい。
◆前面道路の交通量が多いのは分かっていたが、営業担当が「ペアガラスだから大丈夫です」と言うので購入したが、思ったよりうるさい。その後、そのペアガラスは遮音性能には無関係と分かった。
◆大型スーパーが近隣にオープン。便利になったが、クルマが増えて周辺道路の渋滞を引き起こす。外出もままならないことがある。
◆駅から徒歩2分と近いのが気に入って購入。ところが、徒歩10分ほどのところにある競艇場にぞろぞろと歩く人の波にびっくり。毎週のように開催される競艇。娘は怖がって外に出たがりません。
◆高速道路からできるだけ遠い位置の部屋と思って上層階を買ったが、うるさいのでびっくり。音は上に伝わるものらしい。
◆南側が一戸建ての密集地。古い家が多いので最初から少し心配ではあったが、5年後再開発でマンションが建つことになった。7階建が建つらしい。5階の我が家も影響を受けることになりそうだ。
◆7年前に買ったバス便マンション、半額以下で売りに出してもなかなか買い手がつかず、苦労している。やっぱり、少し狭かったけど駅前マンションを選んでおけばよかった。
◆最寄り駅までは徒歩15分と距離があるのは気になったが、すぐ側に大型スーパーをはじめ、生活利便施設のほとんどが揃っていて便利なので、それが気に入って購入。しかし、雨の日の徒歩15分は辛い。バス停まで5分歩かなければならないので、梅雨どきはうんざり。
◆郊外の空気の良い場所にと選んだマンション。契約後、養鶏場と養豚場のにおいが風向きによってすごいことを知りました。購入以前に知っていたら絶対買わなかった。
◆35階の超高層マンションを購入。18階の我が家からの景色はなかなかのものと秘かな自慢だったが、最近新しく建った新築ビルのおかげで景色が一部変わってしまった。眺望が魅力の超高層マンション。その眺望が悪くなったら資産価値も落ちるのだろうね。
9)中古マンションの場合
◆築22年の中古マンションを買ったばかり。でも、トイレの中が何故か朝だけ臭い。ベランダは水を流すと下の階にもれる。「新築だったら文句も言えるし」と思うと、やっぱり新築にすればよかったと何度も後悔。
◆築22年の中古マンションを購入。大手の施工であったし、管理もよく行き届いている印象だったので安心して購入。ところが、1年後の管理組合総会で機械駐車をやめる(撤去する)か、費用を臨時徴収して機械を交換するかという議論が持ち上がってびっくり。
◆築30年のマンションを相場よりも格安で購入。悦に入っていたが、東北・太平洋地震(3.11大震災)で損傷。駐車場のピロティがいけなかったと説明を受けたが、いまさらそんなこと言われてもと悔やむ。修復工事と耐震補強工事を併せて行なう話になっていて、その費用が積立金と自治体の補助金では足らないため、銀行から借りるのだという。でも、返済のための管理費値上げが我が家にはずしりと重い。
◆購入後6年経ってから「学校が遠い」に気付いた。何十件も比較検討し1年半かけて理想のマンションに巡り会ったはずだったのに、6年過ぎてから、まさかを知ってショックを受けることに。その原因は、小学校がとても遠いことでした。しかも、大きな国道の横断歩道を渡る必要がある。歩道橋はあるが遠回りのため、最短コースの信号付き横断歩道を利用する。事故が心配と悩む日々を送っている。マンションを購入するとき、時間帯を変え、天気の良し悪しを見ながら現地訪問を数回繰り返したりして決めたのに、学校なんて、どこに住んでも近くにあるものという固定観念があったためか、見落していた。子供が既にいたなら確認をしただろうにと、悔やんでも悔やみきれない。
10)マンションの管理に関して
◆管理会社がいい加減だったのか?いままでの理事が怠慢だったのか?私が理事を引き受けたときには、管理費等の未集金が1千万円に達していた。こんな高額になるまで放っておいたなんて、これからどうしたものか管理会社とも相談しているのだが・・・
◆必要な費用だとは分かっているが、管理費+修繕積立金+駐車場料金+自転車置場使用料を合計すると、毎月の負担は馬鹿にならない。しかも来月から値上がりする。元々高いマンションだが、定年を間近にして考えさせられる。
11)その他
◆駐車場は平置がいい。機械式は時間がかかるし、管理費にも関わる。後悔先に立たずだが・・・
◆マンション買ったけど一戸建てに買い替えたいと査定してもらった。だが、売れても売値がローンの残金より下回るため借金が残るという。もっと頭金を貯めてから購入すればよかったのだろうか?選んだマンションが良くなかったのか?
●後悔しないための方策は?
失敗しないための方策に絶対的な答えはありません。しかし、次善の策としては次の二つが挙げられるでしょう。
⓵冷静な第三者に意見を聞いてみる
但し、相談する相手を間違うととんでもないことになります。無責任な第三者の意見、悪意や似非専門家も世間では大勢闊歩しています。銀行員や司法書士は不動産の専門家ではありません。仲介業者は新築マンションには疎いものです。
建築家も設計上のことは専門でも、不動産価値の判断基準を持っているわけではありません。また、超高層マンションの設計をしたことのない建築士にタワーマンションのことがどこまで分かるでしょうか?
いろいろな人の意見を聞くのもいいですが、知ったかぶりの意見や、ピントのずれた意見は混乱を招きます。
ともあれ、最後は自分の責任です。売り手責任もありますが、買い手責任ということもあるのです。
②上記の事例をチェックリストにする
では、どのように自衛したらいいのでしょうか?答えは、上に連記した他人の失敗例を記憶しておくことです。コピーしてPC上のどこかに保存しておくのもいいですね。
終わり
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