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第31回 タワーマンションの修繕費

三井健太
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【タワーマンションの修繕費】

リクルート社のマンション購入者アンケート(2014年)によれば、タワーマンションのどの点が気に入っているかについて、順位を次のように発表しています。

 

第1位:駅から近くて便利だ・・・タワーマンションは駅前再開発の一環として建てられることが多く、ペデストリアンデッキなどで駅に直結しているものもある。また、各種専門店や飲食店が新規に出店し便利。

 

(筆者註:タワーに限らないが、地震で交通機関がストップしても、帰宅難民にならずにすむ。 アクセスが良いことに加えて買い物施設が充実しているなど、生活利便性が非常に高い)

 

第2位:眺望が良い・・・上階は遠くまで見渡せる。下層階は、敷地内庭園などが眼下に広がっているので癒されるという声も。上階に住まなくても、遠くの景色を楽しみたいときは、最上階の展望ラウンジを使えばいいとも。

 

(筆者註:眺望という無形の付加価値が付いてくる。住戸位置によって異なるものの、富士山や東京タワー、スカイツリー、レインボウブリッジといった魅力的な光景をリビングルームからいつでも見ることができる)

 

第3位:防犯面で安心・・・大規模であることから、24時間有人管理が定番になっており、夜間は警備員がいる。オートロックシステムは、ダブル・トリプルになっているので安心感は強い。敷地内公園も外部からの出入りができないので街の公園より安心。

 

第4位:街並みが整備されている・・・大規模再開発地の中にあるので歩道が広く緑豊かな遊歩道がある。電柱がなくてすっきりした街並み。

 

第5位:防災面で安心・・・地震で水道が止まったが、マンション内は水もお湯も使えて良かった。免震装置付きなので揺れが小さく不安がなかった。いざというときの脱出には屋上がヘリポート付きなので安心感がある。

 

(同:タワーマンションは、ほとんど免震構造や制振構造で建築されているので、大地震が来ても揺れが小さく、家具の転倒による怪我など二次災害に遭いにくい。ライフラインが切れたときのために飲料水生成装置・太陽光電源・簡易トイレ・かまどなどの非常用設備も充実している物件が多い)

 

第5位:間取りが良い・・・ワイドスパンなので(間口が広いので)リビングルーム以外に2室以上がバルコニーに接する位置にあるので明るく開放的。

 

第7位:ステータス性が高い・・・遊びに来た友人が「ホテルみたい。凄い」とびっくりする。住所を書くときにちょっとした優越感を味わう。地元で最も目立つマンションなので、帰宅時エントランスに向かうとき何となく気分が良い。

 

(同:大抵が戸数300戸以上の大規模な物件なので、ホテル並みの豪華な共用施設がふんだんに用意され、またコンシェルジュを置いて住民サービスに当たるなど、付加価値の高い物件が多い)

 

●修繕積立金が少し高いという声も

国土交通省が「長期修繕計画策定ガイドライン」として示した修繕積立金は、15階建て未満で100戸以上のマンションが@178円/㎡であるのに対し、20階以上が@206円/㎡となっています。平均では16%ほどタワーマンションの方が高いとしています。

 

(どちらも30年の平均。尚、15~19階は例が少ないとしてガイドラインから除外)

 

12年目に最初の大規模修繕工事が計画されるのが一般的で、そのときに必要な予算は、1戸当たりにすると100万円以上と言われますが、タワーマンションの場合は、120万円近くにになりそうです。

 

積立金が不足すれば工事にかかれないので、そのような場合は実施時期を先送りするか、一時金を徴収する、または不足分を銀行から借りるしかありません。

 

先送りすれば建物の劣化が進み、実施可能なときが来て再度見積もりを取ると、さらに費用が嵩むこともあり得るので、実施時期を先延ばしないですむような積立計画が大事になります。

 

 

<修繕積立金の積立方法 >

 

修繕積立金の積立方法には、長期修繕計画で計画された修繕工事費の累計額を均等に積み立てる方式(均等積立方式)と、当初の積立額を抑え段階的に積立額を値上げする方式(段階増額積立方式)があります。

 

また、分譲時にまとまった額の一時金(修繕積立基金)を徴収することや、修繕時に一時金を徴収する、または金融機関から借り入れたりすることを前提とした積立方式を採用している場合もあります。

 

段階増額積立方式や修繕時に一時金を徴収する方式など、将来の負担増を前提とする積立方式は、増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず、修繕積立金が不足する事例も生じていることに留意が必要と国土交通省は指摘しています。

 

最近は新築マンションの多くが段階増額積立方式を採用しており、併せて分譲時に修繕積立基金を徴収している場合が大半です。

 

1回目の大規模修繕のときに1戸当たりで100万円以上を貯めておかなければなりませんから、分譲時に50万円~80万円といった一時金を出してもらうと、残り20~50万円を12年144か月で割れば、毎月負担は大きくならずに済みます。

 

とはいえ、12年目の大規模修繕後の積立金残高をゼロにするわけにも行かず、結局のところ、分譲時から5年ごとの増額積立とするケースが多くなるのです。

 

 

●タワーマンションの修繕費・管理費が高い理由

さて、ガイドラインでも指摘されたように、タワーマンションは一般のマンションより修繕費が高くなるのですが、その理由を整理しておきましょう。

 

マンションの修繕工事費は、建物の形状や規模、立地、道路幅員、仕上げ材や設備の仕様に加え、区分所有者の機能向上に対するニーズ等、様々な要因によって変動するものであり、このような修繕工事費を基に設定される修繕積立金の額も、当然これらの要因によって変化する性格のものです。

 

以下に、マンションの修繕積立金の額に影響を与える修繕工事費等の主な変動要因を示します。  (国土交通省のガイドラインから転載。一部を加筆修正しました)

 

 

<修繕積立金の主な変動要因について>

①建物が階段状になっているなど複雑な形状のマンションや超高層マンションでは、外壁等の修繕のために建物の周りに設置する仮設足場やゴンドラ等の設置費用が高くなるほか、施工期間が長引くなどして、修繕工事費が高くなる傾向があります。

 

※外壁工事(洗浄・補修・塗装)のための仮設足場には、建築基準法で45メートルの高さ制限があります。45メートルは15階建てが限界になるので、20階以上となる超高層タワーマンションの16階から上は、ゴンドラを使う作業となります。ゴンドラ作業の部分が一般マンションにない部分であり、割高になる部分と言われています。

 

②一般的に建物の規模が大きくまとまった工事量になるほど、施工性が向上し、修繕工事の単価が安くなる傾向があります。

 

※超高層マンションの多くが大規模なので、その面では安くなるのですが。

 

③エレベーターや機械式駐車場の有無及びその設置場所、玄関ホール・集会室等の規模等により、修繕工事費が変動します。 近年の新築マンションでは、ラウンジやゲストルーム等、充実した共用施設を備えたマンションが見られます。また、温泉やプールがあるマンションもあります。このようなマンションは、修繕工事費が高くなる傾向があります。

 

※超高層の場合、エレベーターのワイヤーの長さ・強度などが特別仕様なので交換費用が高くなると言われます。駐車場も平面自走式ではなく、タワーパーキング式が多いので、同じ大規模の中高層マンションより高くなる傾向にあります。

 

④建物に比べて屋外部分の広いマンションでは、給水管や排水管等が長くなるほか、アスファルト舗装や街灯等も増えるため、これらに要する修繕工事費が高くなる傾向があります。

 

➄塩害を受ける海岸に近いマンションや、寒冷地のマンションなど、立地によって劣化の進行度合いや必要な修繕の内容が異なり、修繕工事費に影響を与える場合があります。

 

➅一般に、高級な材料を使用している場合は修繕工事費が高くなります。ただし、材料によって必要な修繕の内容が異なったり、修繕の周期を長くできたりする場合もあります。

 

⑦外壁については、塗り替えが必要な塗装仕上げの他、タイル張りのマンションも多く見られます。 タイル張りの場合は、一定期間ごとの塗り替えは必要ありませんが、劣化によるひび割れや浮きが発生するため、塗装仕上げの場合と同様に適時適切に調査・診断を行って修繕を実施する必要があります。超高層マンションには、タイル貼りでないものが多いのです。 修繕工事費は、劣化の状況により大きく変動します。

 

⑧手摺り等には、鉄、アルミ、ステンレスなど様々なものが用いられます。一般的に、一定期間ごとに塗装する必要のある鉄製のものの他、錆びにくいアルミ製やステンレス製のものもあります。 近年の新築マンションでは、錆びにくい材料が多く使用されるようになってきており、金属部分の塗装に要する修繕工事費は少なくて済むようになる傾向があります。

 

⑨共用の給水管や排水管については、配管や継手部分の内部が腐食することから、これらを洗浄・研磨し、再度コーティングする“更生工事”や、“更新(取替え)工事”が必要になります。 近年の新築マンションでは、ステンレス管やプラスチック管等の腐食しにくい材料が使われるようになって更生工事が必要なくなり、取替え工事も遅らせることができるので、給排水管に関する修繕工事費は少なくて済む傾向があります。

 

⑩近年の新築マンションの中には、生活利便性や防犯性を考慮して、さまざまな種類の付加設備 (ディスポーザー設備、セキュリティー設備等) が設置されているものが見られます。このような設備が多いほど、修繕工事費は増加する傾向があります。

 

⑪新築時に設置されていなくても、その後に居住者のニーズの高まりや消防法等の法制度の改正を受けて新たな設備を付加する場合があります。 また、耐震性に劣っている場合や、居住者の高齢化に対応できていない場合は、耐震改修やバリアフリー改修等を行うことが望まれます。こうした改修工事が見込まれる場合は、所要の費用を計画的に積み立てておくことが重要となります。

 

 

※タワーマンションでは、上述のように上層階の外壁工事に最大のプラス要素がありますし、エレベーターの交換費用、タワーパーキングの整備・交換費用なども長い間にプラスされる項目です。

 

ただし、30年計画の中に組み込まれない部分もあります。あるタワーマンションの場合、全交換の時期は40年後とありました。

 

また、防災対策が充実して来たことに関連し、自家発電装置の交換費用、タワーマンションの多くが内廊下式のために各階廊下にエアコンが設置されますから、この交換費用も同様です。

 

<タワーマンションの管理費が高い理由>

①電気代が高い・・・エレベーターの電気代:10階を行き来するより30階を行き来する方が高くなるのは当然。内廊下式の場合は共用廊下にエアコンが設置されるので、夏季は電気代が加算される。

 

②窓ガラスの清掃費がかかる・・・窓の一部の清掃を所有者自身でできない形状になっている場合が多く、専門業者に委託する必要が生じるため。

 

③定期的にメンテナンスする対象設備等が多い・・・自家発電装置・蓄電池・タワーパーキング。防災備蓄品の交換など。

 

④共用部分の対象が異なる・・・大型マンションならタワーでなくても共用部分が広く、管理対象が広いという傾向はあるが、タワー独特のものとしては、各階にゴミステーションが設置される事例が多くなっており、ごみの搬送とゴミ置場の清掃に時間と労力が必要になり、その人件費が加算される。

 

 

 

 

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終わり